重松清さんの、直木賞受賞作で、聞いたことはありましたが読んでなかったので本屋で見つけて即買いしました。
今の私からしたら、少し下の世代の親子関係を描いた短編集です。
子供は大体中学生前後で、小さい時にはなかった色々な問題が出てきて大変な時期を描いていて感じることも多い作品でした。
一部紹介します。
はずれくじ
修一の父親は、田舎の役場で定年まで勤め上げた、平凡な人生を送った。
唯一の趣味は宝くじで、いつもハズレばかりだった。
当たる様なまとめ買ったりしなくて、いつも1枚だけ買っていた。べつに当たらなくて良いと思っていたに違いない。
中学生の勇輝の様子がおかしい。気の弱い勇気は仲間にいい様に使われて、使いっ走りのようなことをさせられていると父の修一は勘づいた。
息子も人間関係で、苦労していることに気づき、悩む修一。
修一自身も、都会に出て決して成功したとは言えず、はずれくじの人生だった気もする。
ふと、父親を思い出して宝くじを買ってみようと思った。
自分も、息子もうまくゆかない現実があるが、最後の息子のある行動に、修一は少し救われた思いがした。
セッちゃん
雄介は、中学生の娘加奈子は生徒会長にも立候補するくらい、人気者でクラスのリーダー的存在と思っていた。
加奈子は同級生のセッちゃんが、みんなに相手にされず、いじめられていると言うようになった。
セッちゃんを唯一庇っているのは加奈子で、それが大変なんだと言う。
しかし、話のところどころに綻びがあり、何かおかしい。加奈子はなにか隠している。
実は。。。という話。
子供なりに考えて、親に惨めな自分を見せたくない、心配かけたくないと繕う。
結果的に完全な解決策とはゆかないが、すこし救われる内容もある。
まとめ
はじめてブログしましたが、重松さんはどの作品も読みやすく、なにかグッとくるものを残してくれます。
子育ての現実、苦労を描いてますが、辛い中にも必ず希望を残してくれます。
この時期の子育ては終わりましたが、おもしろく読ませて貰いました。
他の重松作品と同じくおすすめです。