小説

恩田陸さんの『夜のピクニック』[感想]

2021年8月16日

こんにちは。

佐藤優が絶賛との情報あり、読んでみました。

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夜のピクニック (新潮文庫 新潮文庫) [ 恩田 陸 ]
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あらすじ

夜を徹して全校生徒が80キロを歩くという、北高の伝統行事を題材にした小説。

甲田貴子と西脇融の関係性を軸に話は展開する『みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。』というフレーズが出てくる。

長距離を、しかも夜を徹して歩くという非日常に加えて、卒業を控えた高校生3年であるという刹那感。

そうした状況全てが、登場人物の関係性、内面に徐々に変化をもたらす。

大きな事件が起こるわけでなく、ただ少しずつ友人同士の関係性に変化が出てくる。

読みどころ

非日常の状況では、日常ではとても考えなかった様なことを考えたり、言えない様なことを言えたりする。

なぜか分からないが、人は周りの環境、状況に影響を受けて、それが人生に大きな影響を知らぬ間に与えたりもする。

学年ごとに歩く団体歩行を終え、後半の自由歩行では、それぞれが「一番の友達」とゴールを目指すクライマックスに続いてゆく。

(夏休み明けくらいから、ずっと歩行祭のこと考えてるじゃん。考えてるっていうか、ずっとどこかで気に掛かってる。でも実際はたった1日で、足が痛いとか疲れたとか、文句言っているうちに終わっちゃうんだよな。)

と西脇融がゴール近くで呟いた。

しかし非日常の影響で何かが変わっても、それはあくまで非日常であり、その後不安になったりする。

高校生の、心理変化が見事に描かれており、引き込まれる。

 

 

students

 

 

まとめ

青春時代の、短い非日常を切り取って、その機微を見事に表現している名作であることは間違いなさそう。

 

お勧めです。

 

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  • この記事を書いた人

bouzu-masa

50代 性格は内向的ですが、なんとかこの歳までサラリーマン生活を続けてます。経験をふまえて、同じ性格に悩む方に役立つ情報を発信します。趣味:読書、walking

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