小説

[おすすめ]宮本輝の『30光年の星たち』

2021年8月5日

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三十光年の星たち(上巻) (新潮文庫) [ 宮本輝 ]
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こんにちは。

40歳台で宮本輝の30光年の星たちを読み影響を受けました。

再読してレビューします。

 

あらすじ

二流大学を出て、仕事が長続きしない30歳の青年・坪木仁志が主人公。仁志は金貸しの老人佐伯平蔵に借金の返済の相談に行き、成り行きで佐伯の運転手となる。

佐伯から理不尽に怒られたり、逆に褒められたりするうちに、次第に佐伯の仁志を育ててあげようとする本意が明らかになってくる。

佐伯の生き方の後継者に、仁志は選ばれたのだ。物語の中で佐伯は、とにかく30代から60代までの30年間、自分を磨くことを忘れてはならないと言い続ける。

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印象的な言葉の数々

いくつかの言葉が印象的な小説だった。

  • 人を見る尺度は30年だと、ある人が僕に言った。
  • 君の今の綺麗な心を30年間磨き続けろ。働いて働いて働き続けろ。叱られて叱られて叱られ続けろ。
  • 焼き物の分野だけではなく、世の中のありとあらゆる分野において、勝負を決するのは人間としての深さ、強さ、大きさだ。鍛えられた本物の人間になるには30年かかる。
  • 自らの才能を超えた大仕事を、年齢とともに成し遂げる人間を天才というのだ。
  • 若いとき天才と言われた人も、その後大成する人は少ない。30年後を見据えて、努力を重ねなかったからだ。どこかで自惚れていったと言い換えても良い

特に印象的だったのは、優れた仕事の裏には、特別な言葉で言える様なコツなんてないことも多い。長年積み重ねた修練によってのみ成し遂げられることも多いということ。

  • 秀でた技量を必要とするわけでもなく、何か特別な工程を経なければ完成しないものでもない。それなのにこれだけの差がある。料理とはそういうものなのだ。(月子の様なソースがなかなかつくれない事に関して)
  • 3年も修行すれば覚えると言ったのは、3年であらかたを覚えられないような奴はダメだと言いたかったのだ。そして本当の修行はそこから始まる。
  • 3年で大抵のことは覚えると優しい声で行った時、ああ一生かかっても到達できない底深い世界なのだと思った。(『おかよし』 の社長が染め物の技法は3年もあれば人とおり覚えられると行った時)
  • 場数を踏め、働け。口を動かすのは体を動かしてからにしろ。そうすれば自然に体で覚えてゆく。体で覚えたものは何にでも応用がきく。
  • 物を見る目というのは人間を見る目でもある。優れたものの価値を解せない人は他者をも粗末にする様になる。

この小説の主題

平蔵が仁志に言った次の言葉に集約される

  • 10年でやっと階段の前に立てるんだ。20年でその階段の3分の1のところまで登れる。30年で階段を上り切る。そしていいか、登り切ったところから、お前の人生の本当の勝負が始まるんだ。
  • 働いて働いて働き抜くんだ。これ以上は働けないというところまでだ。もう一つある。自分にものを教えてくれる人に叱られ続けるんだ。叱られて叱られて、これ以上叱られたら自分はどうかなってしまうっていうくらい叱られつづけるんだ。このどっちかだ。
  • この二つのどっちかを徹底してやり抜いたら人は変われるんだ。悪く変わるのは簡単だが、良く変わるのは実に難しい。だけどこの二つのどっちかをやれば良く変われる

普通、30歳、40歳になるとあまり人に怒られたく無くなるものです。

叱られても素直に反省しにくいし、実際自分が悪くないということもあるかもしれない。

しかし、60歳代にむけて自分を磨くという視点があれば、受け止め方も変わるのではないでしょうか。

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まとめ

40代でこの本に出会って、叱られるのはやっぱり嫌ですが、ちょっと何か自分の中で変わったのは確かです。

では。

 

 

  • この記事を書いた人

bouzu-masa

50代 性格は内向的ですが、なんとかこの歳までサラリーマン生活を続けてます。経験をふまえて、同じ性格に悩む方に役立つ情報を発信します。趣味:読書、walking

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