小説

瀬尾まいこ さんの『あと少し、もう少し』[上原先生に存在感あり]

2021年8月20日

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瀬尾まいこさんの『あと少し、もう少し』を読みました。

 

中学生駅伝大会の話です。

 

50歳代のおじさんがなんで読むのと思われるかもしれませんが、子供が持っているのをみつけて、読んでみました。

 

懐かしく、また思いがけず感動もしましたのでブログします。

 

瀬尾まいこ さんについて

1974年生まれですから、現在40歳台中盤。

 

大阪府大阪市生まれで、大谷女子大学文学部国文学科を卒業。

 

中学校国語講師を9年務めた後、2004年に教員採用試験に合格。

 

2005年から2011年に退職するまでは中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行なっていた。

 

健康診断で病気が見つかり、手術し、1カ月ほど入院して復帰。

 

しかし、2011年の3月に中学を退職。

 

その後、お子さんに恵まれ、現在は子育てしながらの執筆活動。

 

wikipedia 、インタビュー記事より

 

あと少し、もう少し は2018年の作品

 

あと少し、もう少し のあらすじ

 

中学の駅伝大会を題材にした青春小説。

 

それまで熱心に指導してくれた顧問の満田先生が異動になった。代わりに顧問になったのは美術の上原先生。

 

部員たちは陸上を何も知らない上原先生に愛想をつかす。

 

中学校駅伝は,男子六人で18キロで襷をつなぐ。

 

陸上部で長距離をやっていたのは部長の桝井と,小学校から一緒の設楽,二年の俊介のみ。

 

その他は全校から選手をかき集めてチームを作らなくてはならない。

 

部長の桝井が中心に必死に部員を集める。

 


各区ごとにその区の選手が、一人称で語るスタイルの小説。

 

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あと少し、もう少し の登場人物

 

桝井

陸上部部長。

 

駅伝に向けて必死に走者を集める。

 

自身は駅伝前に不調となり、最終走者を後輩の俊介に譲ろうとするが、上原先生は敢えて桝井を最終走者に使命。

 

みんなのまとめ役で、慕われている様に見えるが、実は小学時代にスポーツでの辛い過去がある。

 

設楽

桝井の同級生の陸上部。

 

1区を走る。

 

小学時代から、いじめられっ子の傾向あり。

 

足は早くて、不良の大田から一目置かれる。

 

3年になって記録が伸びない。

 

上原先生から、満田先生がいなくなって、危機感が薄れていることを指摘された。

 

大田

 

不良で、授業も出ずにテニスコート脇で暇を潰すことが多い。

 

小学の時、駅伝の経験あり、足が速かったことから、枡田に駅伝に誘われる。

 

2区を走ることになる。

 

ジロー

バスケ部の大会が終わったあと、枡田に駅伝に誘われる。

 

なんでも頼まれやすい性格で、生徒会や委員会などの仕事が回ってきやすい性格。

 

駅伝は一旦断ったが、世話好きな母親に促されて、駅伝出場を決めた。

 

渡部とうまが合わない。

 

3区を任される。

 

渡部

吹奏楽部から、駅伝に誘われる。

 

はじめ、枡田に誘われたが、落ちなかった。

 

上原先生に誘われてすぐに参加を決める。

 

実は、7歳のときに両親が離婚、祖母に育てられている。

 

吹奏楽にのめり込んでいる様で、実は陸上が好き。

 

上原にその点見ぬかれており、これ以上内面を指摘されることを恐れて、駅伝参加を決める。

 

実は隠れて自主練も行うなど、大会前にはかなり駅伝にのめり込んだ。

 

4区を任される。

 

俊介

 

桝井の1学年下の陸上部。

 

桝井を心酔する。

 

メキメキ実力をつけて、桝井に一旦はアンカーに指名されたが、結局は5区を任された。

 

上原先生

 

美術教師で、陸上は素人。

 

満田先生の転勤にともなって、陸上部の顧問に。

 

駅伝の指導をすることになる。

 

実は、ものすごく観察眼に優れており、特に渡部の勧誘では、見事な成果をあげた。

 

私の中学時代にも駅伝選抜はあった

 

50歳台の私の中学時代にも、駅伝選抜はありました。

 

陸上部だけでなくて、確か学校のマラソン大会で上位15人くらいが強制的に毎日居残り練習。

 

地区の駅伝大会に毎年参加してました。

 

私は大体、20位くらいでギリギリ練習組に入らずに済んでました。

 

しかし、駅伝大会に向けて練習する人たちを見て、すこし羨ましい気もしてました。

 

満田先生の様な、熱心な教師が指導していましたが、上原先生の様な指導者であればやはり生徒のモチベーションは上がらなかったと思います。

 

上原先生は最後にある決断を下します

 

上原先生は、

「桝井君はみんなに慕われているし、みんなの性格も状態も十分把握している、でも、誰のことも分かっていない」と言います。

 

桝井が本当の意味では打ち解けていないことを見抜いた上原先生が、最後にある決断を下します。

 

その辺も読みどころ。

 

『あと少し、もう少し』の魅力

同じ場面を、それぞれの登場人物が繰りかえし描出することで、物語に深みを与えている。

 

登場人物それぞれが、いろんな面があり、苦しみを抱えている。

 

一つの目標に向かって取り組むなかで、互いに気をかけ、徐々に連帯感が生まれてくる。

 

そこに、はじめは相手にされてなかった上原先生が、優れた観察眼により、大きな役割を担ってゆく。

 

その辺が読みどころで、引き込まれる部分でした。

 

学生時代に限らず、集団で事にあたるとき、これだけ他者を観察し思いやれるか?

 

とても良い読後感を与えてもられる内容で、とてもお勧めです。

 

 

 

  • この記事を書いた人

bouzu-masa

50代 性格は内向的ですが、なんとかこの歳までサラリーマン生活を続けてます。経験をふまえて、同じ性格に悩む方に役立つ情報を発信します。趣味:読書、walking

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